「モノづくり」への情熱が拓く道、
修了生が語る学園の魅力
世界シェアNo.1製品を支える技能者たちが、学園生活で得た学びや成長、未来へのビジョンを語ります。
「モノづくり」の現場で活躍する先輩の生の声から、「学園の魅力」と、「未来を切り拓くヒント」を見つけ出してください。
メンバー
Member
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石浜工場 電池事業室石浜製造部 保全課 別所さん 2021年修了
愛知県立名古屋工科高校 情報技術科
学園修了(2021年3月)→共和工場製造部 配属(2021年3月)→石浜工場製造部 配属(2022年9月)
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高浜工場 トヨタL&Fカンパニー 品質保証部 検査課 兵藤さん 2023年修了
愛知県立碧南工科高等学校 機械科
学園修了(2023年3月)→高浜工場品質保証部 配属
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東知多工場 エンジン事業部鋳造部PM室
鋳造保全課 竹ノ内さん 2024年修了文徳高等学校 理工科
学園修了(2024年2月)→東知多工場鋳造部 配属(2024年2月)
#01 なぜこの仕事を目指そうと思ったのですか?

高校の進路指導の先生に勧められたのがきっかけです。当時はCMで「豊田自動織機」の名前を聞いたことがある程度で…。先生からの話を聞いたり、自分で調べたりするうちに、エアジェット織機をはじめ世界シェアNo.1の製品をいくつも作っていて、世界のモノづくりを最先端で支える会社だと知りました。そのスケールの大きさに圧倒され、いつしか「自分も世界の産業を支える一員になりたい!」と思うようになりましたね。

幼い頃に参加した「おもちゃの病院」というイベントで壊れたおもちゃを見事に直してもらってとても感動したんです。愛知県出身なので工場見学をする機会も多く、見学で見たことなどを電気工事士である父に話すと、工場の設備がどうやって動いているのか、それを維持管理することがいかに大切か、といったことを教えてもらったのがきっかけです。

私は工業高校でモノづくりの面白さと奥深さに触れ、技能職を目指しました。中学生の頃から早く自立したい思いを持っていたこともあり、労働環境や福利厚生、キャリアパスが充実しており、働きながら高度な技能を学べる豊田自動織機の技能専修学園はまさに理想的な環境だなと。

#02 豊田自動織機技能専修学園に惹かれ、入学を決めた理由は?

自分の「好き」を仕事にし、専門性を高められる点に魅力を感じ、入学を決めました。もともと実習が好きで、モノづくりに関わる仕事に就きたいと考えていたんです。そんな時、豊田自動織機技能専修学園が、1年間の実技・学科・心身訓練を通じ、現場の核となる人材を育成していることを知ったことが理由です。

就職への不安や焦りを感じていた高校3年生の頃に出会った学園の「基礎技能と強い精神力を身につけた製造現場の核となる人材を育成する」という理念に強く共感したからです。働きながら高度な技術を学び、現場で役立つ資格取得も目指せることも入学を決めた大きな理由のひとつですね。

私も竹ノ内さんと同じく、高校時代に先輩から「学園生同士の助け合いが活発で、皆が自身の成長に意欲的」という話を聞いたことがきっかけです。また、学園から現場への配属時に希望を出せるとのことで、将来的に保全部署を目指していた私にとって、自身のキャリアプランに直結する重要なポイントだと感じました。

#03 入学前と比べて、学園の印象はどうですか?

私は工作機械を扱った経験が少なく不安でしたが、指導員の方々が一から丁寧に指導してくださり、大きな戸惑いはありませんでした。同期は皆気さくで話しやすく、すぐに打ち解けられました。真面目な人が多いイメージでしたが、良い意味でギャップもありましたね。

厳しい訓練が多いと聞き心配していましたが、個々の訓練に明確な目的があり、指導員の方々の熱心な指導のおかげで、意欲的に取り組めました。指導員は上司・部下の関係に近く、実習のフォローが手厚いだけでなく、プライベートな相談もできる心強い存在です。

まず学生と社会人の違いに驚きました。学園は高校のように勉強する場だと思っていましたが、指導員の気迫、全国から集まった学園生のまなざしから、教室の空気はまったく異なっていて圧倒されたものです。自分の考えの甘さに気づかされましたね。学園生は誰もが勉強にも行事にも常に全力で、積極的に取り組んでいる人ばかりの印象です。活気にあふれ、私自身も良い刺激を受けました。

#04 入学後はどのように学んでいったのですか。

学園生同士で教えあうことが多かったです。私は情報技術科出身で機械系が苦手でしたが、電気系が得意でない人もいたため、寮で勉強会を開きました。教えることで自分の理解も深まり、話し合いから気づきを得ることもありました。訓練では、複数のカリキュラムが班ごとに並行して行われるため、予習・復習が習慣となり、知識や技能が早く身についたと感じています。

学園では、旋盤や手仕上げ、測定具や工具の使い方といった機械加工系を中心に、QC(品質管理)や改善基礎など、配属後に役立つ知識を幅広く学べます。高校時代は機械加工未経験でしたが、学園のカリキュラムを通して基礎固めができました。また、ロボット教示や低圧電気など、会社内の資格も複数取得でき、現在の鋳造保全の仕事でも大いに役立っています。

専門的な話になってしまいますが、例えば旋盤では、高校時代に使っていたものより大きな旋盤を使いますし、材料の固定方法、新しい切削工具の使い方、中心からずらして削る加工方法など、より高度な技能が求められます。だからこそ私も必死に学びました。各実習のテスト結果が教室に貼り出されるため、他の学園生と切磋琢磨しながら良い評価を目指して努力したことを思い出します。

#05 学園生活で特に印象に残るエピソードを教えてください。

楽しかったことはサッカー部の活動です。初心者もいる12人のチームで、大会に向け、自分たちで練習メニューを考えるのに共に練習に励みました。最初はボールを蹴るのもやっとだった仲間が、最後には頼れる存在に成長したのもうれしかったですね。

私は学園駅伝大会かな。駅伝部のキャプテンとして練習の指示や号令を担い、皆の助けで5位に入賞できました。目標の1位には届きませんでしたが、全員で努力し、最高に楽しかったです。

今は実施しているか分かりませんが、私は宿泊での研修が印象に残ってます。班対抗でテント設営、オリジナルピザ調理、段ボールチェア製作に挑戦しました。話し合いを通して班員の仲が深まり、ピザ作りでは料理が趣味の班員の意外な一面も知れました。ちなみに抹茶ピザは不評でした(笑)。

楽しかった半面、苦労というかすごく頑張ったこともありますよね。私の場合、一番大変だったのは技能照査の実技の治工具仕上げです。とにかく高い精度が求められて、最初は全然ダメでした。原因を一つずつ考え、工具の使い方や作業手順を何度も見直して…。その結果、試験本番で自己最高点を更新することができました!

素晴らしい!私の場合はもともとそそっかしく、勘違いやうっかりミスが多かったという自分の課題に向き合わざるを得なかったことでしょうか。学園では指導員や同期の助言を得て、メモ帳の活用や作業後の振り返りを徹底し、以前よりミスを減らすことができるようになりましたね。

私は心身訓練に苦労しました。特にオリエンテーリングや駅伝では体力不足で足を引っ張りました。最後まで克服は難しかったですが、仲間が助言や応援してくれたおかげで続けられたことは忘れられない出来事の一つとなっています。

#06 寮生活を経験して、良かったと感じることは?

最初は実家を離れる不安もありましたが、同期と部屋で遊んだり、勉強会をしたり、風呂やサウナで語り合ったり…と楽しいことばかりが思い出されます。掃除や洗濯など、今まで親に頼っていた家事の大変さを実感し、改めて親への感謝の気持ちを抱くこともできました。寮生活は仲間との絆を深め、自立心を養う良い機会になったと感じています。

寮生活を経験すると、親のありがたみを実感しますよね。ただ寮ではお風呂や食事が用意されているため、生活面での苦労はありませんでした。また、友人の部屋が近く、気軽に勉強や遊びに誘い合えたので、交流を深める上でも寮生活はメリットが大きかったです。

私も不安はありましたが、皆同じ境遇なのですぐに打ち解けられました。別所さんが言うように、寮は設備が整っているので何の問題もありませんでした。職場も近いため訓練に集中できますし、家賃もリーズナブルでありがたかったです。休日は名古屋に近いから、遊びに行けるのもうれしい。

#07 一番成長できたと思う経験と、他にはない学園の魅力を教えてください!

物の見方・考え方がガラッと変わりました。実習で試行錯誤を繰り返す中で、問題解決能力が向上したことが大きいですね。技能専修学園の魅力は指導員のレベルの高さです。技能五輪やQC全国大会で活躍された方々から、現場で役立つ技能や考え方を直に学べた環境は、今思うと本当に素晴らしいものでした。

「協働力」が養われたことでしょうか。現場では人との関わりが重要で、例えば時間がない時は複数人で協力して作業を進め、効率化を図る場面も多くあります。その際も学園での心身訓練や日々の挨拶、話し方の工夫が現場で生かされていると思うことも多いですね。1年間苦楽を共にした仲間ができることも技能専修学園の魅力だと感じます。同じ部署に学園で同じ班だった仲間がいるので、気軽に相談でき、互いに刺激し合える環境が強みです。

「まず挑戦してみよう」という積極性が身についたことです。卒業後も技能検定に挑戦するなど、その姿勢は続いています。魅力は、修了生との縦の繋がりが強いこと。各工場の学友会が開催するボウリング大会などを通して、幅広い年代の方と交流でき、貴重なアドバイスをいただけることも大きなメリットだと感じています。
※学友会とは、学園修了生の期生・工場を越えた会員相互の親睦と自己啓発活動を目的として設立された組織で、19歳から63歳まで幅広い年齢層で構成されています。

#08 最後に皆さんのビジョンについて教えてください。

目標は電池事業室の製品を「豊田自動織機が世界に誇る電池ブランド」へと成長させる一翼を担うことです。尊敬する上司や先輩方の背中を追いかけ、日々の業務に励んでいます。今後はどんな状況でも冷静沈着に、広い視野と論理的思考をもって問題解決に挑戦します。安全第一、無事故でこの仕事を長く続けていきたいです。

今、鋳造保全課で電気系の修理を担当しています。まだまだ先輩方の背中を追いかける毎日ですが、5年後、10年後には先頭に立って作業できるようになりたいと考えています。現状に満足することなく、新しい知識や技能を吸収する貪欲さを持ち続けていきたいですね。「この仕事は竹ノ内に任せよう」と言われるような技能者になることが目標です。

将来的にはリーダー的な役割を担い、学園で培った知識・経験を後進へ伝え、会社の発展の力になりたいと考えています。日々の努力が「学園卒はやっぱりすごいね」という評価に繋がり、学園、指導員、歴代の学園生の皆様への恩返しとなること、さらにそのバトンを未来の学園生へ繋いでいくことこそが私の目指す姿です。
